バイオバンク利活用ハンドブック第3版の発行~日本全国のバイオバンクの利活用を進めるための、利用者向けの情報とともに運営者側のノウハウも網羅した総合ガイドが完成~【プレスリリース】

2021-05-11

成果

発表のポイント

・我が国の主要なバイオバンクの利活用を促進するため、利用者視点での情報と運営者側のノウハウを網羅した、バイオバンク利活用ハンドブック第3版が完成しました。
・インターネットから誰でもダウンロード可能です。
・このハンドブックは2020年3月発行の初版以来、改訂を重ねたもので、運営者側のノウハウとFAQ(よくある質問)は今回初めて掲載されました。

概要

東京医科歯科大学 吉田 雅幸教授を中心とした全国のバイオバンク運営に関わる研究者のグループは、バイオバンク利活用ハンドブック第3版を発行し、公開しました。本ハンドブックは、主に、バイオバンク利用者向け、バイオバンク関係者向けの2部から構成され、よくある質問なども加え、バイオバンクに関連する様々な情報が網羅されています。

 国内の主要なバイオバンクの協力を得て、本ハンドブックでは、バイオバンクとは何かに始まり、その使い方から運営におけるノウハウや留意点まで説明しています。バイオバンクについての知識がなく初めてヒト由来試料・情報を使うことを考えている研究者から、既にバイオバンクの利活用を経験した上で更なる利活用を考えている研究者、またバイオバンクの新規設置や運用の拡大を考えている研究機関等にとっても、役立つ内容となっています。
 本ハンドブックの内容を参考にバイオバンクの利活用や運営を進めていただくことで、我が国のバイオバンクの試料・情報の利活用がスムーズかつより効果的に行われることが期待されます。

詳細

ハンドブックの制作と背景・目的

制作には、バイオバンクを運用している東京医科歯科大学、東北大学、東京大学、ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(国立の6つの医療センターから構成)、岡山大学から分担研究者が関わり、更に神戸大学から倫理・法令面の研究者が加わっています。
 本ハンドブックは、初めてバイオバンクを利活用する方々を主たる読者に想定した第1部と、バイオバンクの運営等に関わる関係者を対象とした第2部及びよくある質問をまとめた第3部の3部構成です。本ハンドブックを通じて、バイオバンクの利活用が全国で促進されるとともに、制作や共有を通じたバイオバンク間でのノウハウ・知見の交換が進み手続きや基準の平準化が促進されることも期待され、全体として我が国のバイオバンクとそれをめぐる文化の向上を目指しています。

ハンドブックの公開

本ハンドブックは以下のURLよりダウンロードできます。
バイオバンク横断検索ウェブサイト 「利用方法について」
なお、同じページから、本ハンドブックを紹介した動画もご視聴いただけます。

ハンドブックの主な内容

 本ハンドブックは以下のような構成となっています。

目次
第1部 バイオバンク利用者向け
 第1章 バイオバンクとは
 第2章 バイオバンクの特徴と多様性
 第3章 品質管理
 第4章 同意説明文書について
 コラム 試料・情報の海外への配布
 第5章 バイオバンク試料・情報の利用手続き
 第6章 分譲審査・試料利用の審査
 第7章 MTA・契約の締結について
 第8章 バイオバンクからの情報公開

第2部 バイオバンク関係者向け
 第9章 バイオバンクで用いる同意説明文書例
 第10章 試料品質の情報提供
 第11章 バイオバンクにおける成果発信
 第12章 MTA・契約の締結について

第3部 FAQ
 第13章 支援ユニット活動を通じての相談事例と回答

巻末資料
 資料1:バイオバンクの同意説明文書に含めるべき内容
 資料2:倫理審査委託に関する研究機関要件確認書
 資料3:推奨MTA雛形モデル

プレスリリース詳細